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性病はピルでは予防できない!

2020年05月25日

避妊薬ピルに関する誤解があるようです。その誤解の中でも最も怖いのが、ピルを使用すれば性病を予防することができる、といううわさです。これはとんでもない間違いです。都市伝説にもなり得ないほどの誤解なので、そのように思い込んでいた方は、このタイミングで考えを改めていいただきたいです。

性病というと、HIV感染をはじめ生命の危険を伴う病気が多いイメージですが、ウイルスレベルではなく、菌や細菌が感染して発症する性病もあります。たとえばトリコモナス感染症、クラミジア、カンジダ、淋菌感染症(淋病)、梅毒など、いずれもピルでは予防できないということを、知識として頭に入れておく必要があります。母子感染を除けば、性病は粘液感染によるものがほとんどです。そのため、いくらピルを服用したところで、予防できないことは理解に難しくないと思います。では、性病をどう予防したらよいかといえば、当然コンドームの使用が有効になります。ただし、コンドームをして行う性交渉ならすべて安全かというと、そうでもありません。そもそも性感染に完全な予防などないと解釈すべきです。

しかし高いレベルで予防することは可能であると考えられています。一番完全に近い方法は性交渉を一切持たないことですが(それでも母子感染のリスクはある)、これは現実的ではありません。性交渉を持ちながらも、高いレベルで性病を予防する方法、それがセーフセックスという考え方になります。

セーフセックスのポイントは3つあるとされます。①コンドームの正しい使用、②パートナーの特定、③清潔なセックスを行うという3つです。当然といえば当然と感じる内容ではあるでしょう。

コンドームを正しく装着すれば、性器感染という意味での性病は予防できます。トリコモナスにしろ、クラミジアにしろ、カンジダ、淋病、梅毒のいずれも予防可能です。ただし、性器感染以外の感染のリスクは、コンドームだけでどうにかなるものではありません。たとえばフェラチオやアナルセックスなどにより、性感染が起こることは十分考えられます。

最も有効な方法は、性交渉を持つ前に、自身、パートナーとも性病検査を実施し、性感染がないことを確認した上で、そのパートナーに特定して性交渉を持つ、という方法です。性交渉前に入浴する、さらにはコンドームを正しく使うなどすることによって、性感染のリスクを最小限にとどめることができると考えられます。

そういう具合に、避妊薬の服用の有無は、性感染症予防とは一切関係がないことがお分かりいただけたかと思います。ピルなどの避妊薬はあくまでも避妊(プラス上記でお話したメリット)だけを目的として服用し、性感染症の予防はセーフセックスを高いレベルで実行することが、実現への近道であると考えるべきでしょう。

コンドーム=避妊というイメージと、コンドームが性感染症を予防する道具にもなりうるという事実から、ピルなどの避妊薬もまた性感染症を予防するのではないかという誤解につながっているのかもしれません。しかしそれは完全な誤りです。